不動産営業を辞めてスタバでバイト

脱サラ(元住宅営業マン)してスタバでアルバイトした体験を綴ります。

いい店づくりはマネジメントが9割

今日は「〜が9割」という書籍のタイトルブームに少し乗っかってみよう。
 
スターバックスは人々がピットインする場所でなければならない」
前回の記事では、そのように締めくくった。
 
じゃあ数ある飲食店のなかから、お客様に選んで貰えるお店になるにはどうすれば良いだろう?
いや…「人に活力を与える」という意味では、決して飲食店だけじゃないような気もする。
そういう意味では、ディズニーランドやリッツカールトンだってライバルになるのか。
 
しかし単価や頻度で考えると、やっぱり飲食店で比較するのが分かりやすくていい。
 
と言うわけで、数多くある飲食店のなかで、僕らのお店を選んでもらう為にどうするか。
〝顧客のファン化″ のために必要な具体的な振る舞いについては、これまで何度か持論を述べてきたつもりだ。
 
しかし最も重要なのは、それをどれだけ多くの従業員が実践できるかどうかであり、それはつまりマネジメントの手法を問うものである。
 
ファンを獲得する店づくりに欠かせないマネジメントとは何だろう?
 
組織マネジメントに失敗する多くのマネージャーは、部下を「自分の言うことをよく聞く部下」と「そうでない部下」に区別しているように見える。そうしたマネージャーの多くは、言うことをよく聞く部下を可愛がり評価し、そうではない部下を煙たがり批判の対象とする。
 
しかし一方で、部下たちは「教えを請いたいマネージャー」と「そう思えないマネージャー」を(無意識に)区別している。
 
つまり、あなたがマネジメントに悩みを抱えるマネージャーだとして、もし「言ったことが全然できない部下」がいるなら、すごく簡単な話、その部下にとってあなたが「教えてもらいたい存在じゃない」ってことかもしれない。
 
そう考えるのが、上司として建設的に考えられないだろうか?
上司は部下に〝憧れ″られてなんぼ。…と思うことができれば、部下の不出来は自分の魅力不足と思える。自分の魅力が足りないのだから、努力が足りないのは部下ではなく、自分の方だろう。
 
しかし、あなたがもし自分のことを慕わせようと考えているなら、それは全くの逆効果だ。
 
部下の誤りを見つけては、正す。それがこれまで正しい上司像とされてきた。
正論を武器にいい気になり、細かなミスを見つけては注意を繰り返し、長々と説教を垂れる。
部下の言い分も聞かず自分の意見を強要する。もしくは聞いてるフリをしているだけ。
「聞く力」というのは巷で流行済みだから。〝聞くフリ″という厄介な技術が、マネジメントの現場には広く浸透してしまった。
 
しかしその浅はかなノウハウは、思った以上に簡単に見抜かれている。ことに気づいていない。
部下をコントロールしようとするほど、憧れとは程遠い存在になっていく。
 
その結果、部下はあなたを尊敬の対象からは外し言うことを一切聞かなくなる。
あなたがどんなに正しいことを言ったとしても、正論だけでは部下は動かない。
いや、動くかもしれない。これ以上うるさく言われないために。
 
だから、マネジメントを成功させるために最も重要なことは、部下にとって「あの人のようになりたい」存在になること。
 
「あの人の言うことなら、ちょっとやってみよう。」と思われる存在。
 
そうした関係性って、一朝一夕で築くことのできない立場だ。
しかし、ほとんどの上司は部下に〝自分に対する敬意″を急いで埋め込もうとする。
そうした上司は、自分が如何に正しいかを証明する能力に非常に長けている。
 
その結果、知識や経験の足りない部下は行動や意見を封じ込められ、上司の言う通りに動かざるを得ない。
 
なぜ、上司はそこまでして部下をコントロール(支配)したがるのか。
その根本にある一つは『地位の維持』だろう。
 
そういう上司はきっと、部下に〝自分を超える存在″になって欲しくないのだ。
出る杭を打つようなマネジメントで、組織が伸びるはずもない。
 
更にわがままなことに、自分の〝地位を下げる存在″にもなって欲しくないのだ。
部下の失敗を自分の失敗とみなされ、周りに責任を負わされるのではないか恐怖を抱いている。
 
もう少し視野を広げて考えてみよう。
 
そもそもビジネスとはなんだろう。僕らは何のために働くのか。
社内で出世して、多くの従業員の上に立ち、今より多くの給料をもらうために働くのか。
 
それはきっとビジネスの本質を大きく外している。そして本質を外した行動はいずれ破綻を招くだろう。
 
例えば空前の携帯ゲームブームによって一時代を築いた企業も、行き過ぎの課金システムによって、その輝きと消費者の信頼を失い、その経営状態は窮地に陥っている。それも、たった数年で。
 
ビジネスの本質は、誰かが必要とするモノやサービスを生み出すことでしかない。
だからお金や地位、名誉のために働くのは只の自己満足であり、それを仕事の理由にしてしまうのは間違いじゃないかと思う。
 
そして自分たちのためだけに働く会社や、自分の立場のために働く上司というのは一目で分かる。
お客様、部下からみて一目瞭然だ。
 
だから働く本質を理解する上司だけが部下に憧れを抱かせ、結果的に良いチームをつくってしまうだろう。そして、その教えを受けて育った従業員たちがファンを獲得するお店や会社をつくるんだと思う。
 

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ここまでお読み頂きありがとうございます。3年前の更新を最後にスターバックスのセキュリティ強化のため社内情報を含む記事の投稿が禁止されました。その後、特にどこに何を投稿することもなく、今も同じ価値観を持ち、そのノウハウを別業界に伝えようと新たな活動を始めています。